鍼灸治療は大変長い歴史をもつ中国の伝統医学で、
日本では奈良時代に伝わって江戸時代までは正統の医療でした。
「鍼を刺す」「灸で焼く」という鍼灸のイメージは正直怖いものです。
しかしだからこそ何千年も生き残ってきたのです。
明治の医制により鍼灸や漢方はその座を奪われて「代替医療」のレッテルを
貼られ、一方正統な医療となった現代医学は多くの問題を抱えてきています。
私は20年間看護職の立場で現代医学の場にいました。
現代医学を全て否定するわけではありません。
しかし「薬漬け医療」をはじめとする、あまりにひどい側面があって
堪えきれずに「やくざな鍼灸師」の道に転向しました。
鍼灸治療を含む伝統的な医療こそが正統な医療だと実感したからです。
2019年6/1の『東洋経済』は勇気ある発信です。
しかしこれが「紛うことなき真実」なのです!
私が鍼灸学校で学んだのは「積聚治療」です。
患者の脈やお腹を診て病気を診断する方法です。
そこには現代医学の「病名」をもととする治療体系とは全く別の視点がありました。
しかもそれで症状は改善するのです。(治癒という言葉は敢えて用いません)
そして鍼灸治療でもさまざまな方法があります。
院長の西岡が用いるのは、病状に応じて髪の毛のようにか細い鍼から、
針金のような硬く長い鍼まで自在に応用します。
これは中国古代から伝えられた「九鍼」の伝統に忠実だからです。
「九」という数は「沢山」という意味です。
ですから鍼は「細く、浅く刺す」、
灸は「熱くない」という宣伝が行われていますが、
それで効果のある場合もあり、効果のない場合もあります。
そのために古代の医師たちが「九鍼」の理論を体系化したのです。
時間をかけてゆっくり変えることもありでしょうが、
時には大きな転換が必要なこともあります。
西岡が用いるのは以下の鍼です。
正直痛いかもしれません。衝撃も大きいでしょう。
病んだ身体を変えるにはそれなりの覚悟も必要なこともあるのです。
はりきゅう医学は中国で生まれた医学です。
その背景には数千年の歴史を誇る東洋哲学があります。
はりきゅう医学を真に理解するためには、東洋哲学を知らなければなりません。
院長の西岡はそういう観点から東洋哲学を研究してきました。
東洋哲学の凝集された書物が『易経』という本です。
『図説難経』は『易経』の観点から鍼灸治療を説いた解説書です。
『易経』についてはYoutubeにリリースしています。
是非ご覧ください。
また鍼灸学校では、鍼灸実技と東洋哲学(九星気学、易経)を
担当して後輩の指導にあたっています。
「瘀血」とは東洋医学の病理概念の一つで、うっ滞した血液のことです。
瘀は「病だれ+於」で、鬱積してよどむ意があります。
「ふる血」や「悪血」と言われることもあります。
毛細血管は全身くまなく分布していて「人体の最大の臓器」といわれています。
この働きが悪くなって血液が澱む状態を「血瘀」、その血液を「瘀血」と呼びます。
広範囲な毛細血管の鬱滞は、
その臓器や器官に様々な影響を与えることは言うまでもありません。
東洋医学の薬では、
この瘀血を改善する薬を「駆瘀血剤」として昔から開発されています。
一方鍼では「刺絡」という方法が用いられてきました。
"体の中に溜った悪い血を取る"という療法は、大昔から世界中で行われてきました。
血を取るというと"瀉血"を連想されるかもしれませんが、鍼灸では"刺絡"といい、
皮下の浅い部分に鍼をして欝血を取り除くものです。
鍼灸理論では前進の気血の通路として"経脈"(ツボはこの上にあります)と、
これを結びつける"絡脈"があり、皮膚に分布して"細絡"となります。
体内に気血の欝滞がある時、この"細絡"を刺激することにより、
欝滞を劇的に解消することがしばしばあります。
例えば脳卒中発作に指先のツボを"刺絡"して頭部循環を調整するなど…